花粉情報
空中飛散花粉の観測地点・方法
観測地点
■福山臨床検査センター 本社
住所:広島県福山市草戸町1-23-21
■福山臨床検査センター 高松支所
住所:香川県高松市太田下町2643−1(2009年〜)
香川県高松市仏生山町甲185−4(1997年〜2008年)
観測方法
(1)空中花粉採取器 | ダーラム型(重力法) |
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(2)花粉採取時間 | 24時間 |
(3)標本交換/計測時間 | 午前9時 |
(4)計測方法 | カバーガラス内(18mm四方:3.24cm2)に付着しているスギ・ヒノキ科花粉を計測し、1cm2あたりに換算する。 |
(5)観測開始日 | 毎年2月1日より計測開始 |
(6)観測終了日 | 毎年5月10日まで計測実施 |
観測対象花粉
スギ (Cryptomeria japonica)
花粉形状は「単口カギ状突出有心型」、サイズは35µm前後。
飛散ピークは3月上〜中旬、飛散期間は2〜4月と長い。
ヒノキ (Chamaecyparis obtusa)
花粉形状は「単口有心型」、サイズはスギよりやや小型で30µm前後。
飛散ピークは4月上旬。スギと共通抗原を持つ。
[参考] 「スギ花粉のすべて」 佐藤紀男/高橋裕一/村山貢司 著 (株)メディカルジャーナル社
花粉測定の実際
1. スライドガラスにワセリンを塗布する。
空中飛散花粉を粘着させるためにワセリンを塗布します。
あとでカバーガラスを被せて顕微鏡でみるため、予め丸ガラス棒で均一にしておきます。
2. ダーラム型 空中花粉採取器に(1)のスライドガラスをセットし24時間待つ。
ダーラム型 空中花粉採取器
2枚の円盤の間にある台座にスライドガラスをセットします。
3. スライドガラスに固定染色封入剤(GVグリセリンゼリー)の小片をのせ、カバーガラスを被せる。
4. パラフィン伸展器を用いて加温し、固定・染色・封入する。
カバーグラスとスライドガラスの間に置かれたGVグリセリンゼリーは加熱される事で溶解し、カバーガラス一杯に広がります。この時、ゼリーに含まれているアルコールや染色液などの成分により固定・染色されます。加温を止めるとまた固まって封入され、標本は完成です。
5. 顕微鏡で計測する。カバーガラス内(18mm四方:3.24cm2)に付着しているスギ・ヒノキ科花粉をカウントし、1cm2あたりに換算する。
スギとヒノキ科花粉は形態的に良く似ていて、標本の上では100%区別しきれません。
そこで、計測はスギ・ヒノキ科を合計した総数を報告しています。
飛散時期では3月上旬頃にスギのピークがあり、少し遅れて4月上旬頃にヒノキのピークがやって来ます。
( 写真はスギ花粉をGVグリセリンゼリーで染色したものです )